『ミルク』(野原くろ)
新宿二丁目の某バラエティショップで平積みにされていた本書。終始ほんわかとした雰囲気で進むこのマンガに派手さはない。絵はシンプルだ。それでも主人公の気持ちが伝わってきて、僕は感情を共有した。青春てこんな感じだったなあ、と懐かしんだ。
ゲイの主人公の片思い(相手はノンケなの)を軸に、キャラの立った脇役たちが絡むストーリーには、きっと多くの人が経験したことのある切ない感情、恋が描かれている。
周作のノンケぷりはゲイのファンタジーかもしれない。ここまで優しく真っ直ぐな人間など実在しないかもしれない。それでも、周作に恋をし憧れる健太の気持ちを僕は共有し、一喜一憂した。恋の疑似体験、それも二十前後の頃に戻って。
全三巻、すでに結末を知っているにも関わらず何度も読み返してしまう。そして『ミルク』の中で穏やかな高揚感に浸るのだ。
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